[今日の失敗]造影CTでミスしたときのためのリスクヘッジをしておこう!

こんにちわ!放射線技師ブロガーのカロン@muscle_radioです

最近は暖かくなって朝の通勤もだいぶ楽になりましたね。

 

久しぶりの投稿ですが、今回は造影CTについてお話してみます。

 

なぜ今回、造影CTの話題なのかというと本日、肝臓ダイナミックCTでミスをしてしまい、その自戒の念をこめてと、みなさんにも同じ間違いが起こらないようにと思って書きます。

 

 順調だった肝臓ダイナミックCT。いったい何が起こったというのか??

 

というわけで、肝臓ダイナミックCTなのですが、施設によって、造影ルーチンが違うと思います。

 

例えば、どの患者さんでも同じ時間で撮影する(40,70,120秒で撮影する)ところもありますし、

 

ボーラストラッキングで、大動脈の造影されている様子を観察しながら観察部のCT値が一定以上になったらその何秒後かに撮影する(東芝でいうreal prepなど)という手順になっているところもあると思います。

 

 

カロンの施設では、後者の方法でいつもやっています。この場合、CT撮影装置と造影剤を押し出すインジェクターの同期がかかっていうことが必須なのですが、それが今回はできていなかったためミスが起きてしまいました。

 

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どういうことかというと、まず、カロンの施設では造影の際は二手に分かれて、ひとりが撮影室の中で患者さんを見ながらインジェクターのスタートボタンを押し、造影剤の漏れがないか確認して、異常がないことを確認したのちにコンソール側に戻ってくるという手順なのですが

 

 

造影剤の注入条件をセットする→CT装置で同期がかかる→インジェクターの造影スタートボタンを押す(ここまでは大丈夫)

→なぜかその後すぐに間違ってスタートボタンをもう一度押してしまう→造影剤は入らずにインジェクターは止まる

ここでCT装置とインジェクターの同期がはずれる→もう一度造影剤の注入条件だけ設定しなおす

→インジェクターのスタートボタンを押す→造影剤が注入される→同期されていないのでreal prepが始まらない

ここでミスに気付く…

 

ということが起きました!

 

そのあとはなんとかできるだけはやく撮影することができたので、ダイナミックとして撮影することはできたのですが、これが冠動脈の造影だったら終わっていましたね…

 

同期させてダイナミック撮影をするときは必ず確認を!

 

ということで、特に血管を観察する造影の場合はミスすると、もう一度やり直さなければならない事態にもなりうるのでしっかり確認をすることが重要です!

 

・いつもと違う動きをしてしまったら、造影を始める前に責任者に相談する

・同期がかかっている状態を示すサインがどんなものか確認しておく

・仮に同期がかからず造影がスタートしてしまったら、どうすれば最速で撮影ができるかを覚えておく

 

ここらへんのことをCTの担当の人と確認しておくといいと思います。

 

どうしても人間がやるとどこかでミスが起きてしまいますので、ミスした時にどうやってリカバリーするか、その方法を知っておくことが大事ですね!

 

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胸部レントゲンでもミスは起きる!?インシデントを起こさないためにできることは?

2018.04.21

では!

コチラの本はCTの造影についてめちゃくちゃ詳しく書かれています。TDCや副作用から、各臓器の造影理論まで網羅されているのでCTに配属されたら一読してほしい本になります。

レントゲン撮影のコツ・ポイント

胸部/腹部

頸椎(側面)/頸椎(斜位)/頸椎(開口位)

腰椎(正則)/腰椎(斜位)/腰椎(前後屈)

骨盤(インレットアウトレット)/股関節(ラウエン、軸位)

肩関節(正面,スカプラY)/肩鎖関節

手関節/肘関節/尺骨神経溝

大腿骨/膝関節(側面、スカイライン)

踵骨(軸位)/アントンセン

 

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ABOUTこの記事をかいた人

カロン

大学卒業後、大学病院、透析クリニックを経て、民間の総合病院に勤務しています。 自身の経験から悩める新人放射線技師や放射線技師を目指す学生に発信していきたいと思っています。 ◇保持資格◇ ・診療放射線技師免許 ・第一種放射線取扱主任者試験合格 ・AHA BLSヘルスケアプロバイダーコース受講済み