こんにちわ!
放射線技師のカロン@muscle_radioです。
前回の記事では造影CT時に確認すべき注意点をいくつか挙げていきました。
その中で、「ビグアナイド系の糖尿病薬を服用しているかを確認する」という事項がありましたよね。
このビグアナイド薬についての規定、カロンは学生時代に学んだ覚えがなかったので、働きだしてから知りました。
ビグアナイド系糖尿病薬の服用や休薬について放射線技師が毎回確認しているかは病院によりますが、知っていて損はないものだと思うので、この機会に勉強しておきましょう。
ビグアナイド系糖尿病薬とは~なぜ乳酸アシドーシスになるのか?~
そもそもビグアナイド系の糖尿病薬とはなんでしょうか?
糖尿病情報センターによると、ビグアナイド薬についてこのように記述されています。
ビグアナイド薬は肝臓に関与し、「乳酸から糖をつくる」という状態を抑制することによって血糖値を低下させます。
そして、乳酸から糖に変化させないようにしているので、ビグアナイド薬を服用していると乳酸が多い傾向になります。
この状態から腎機能が低下すると、どうなるか。
排泄能も低下する(薬が体に残ってしまう)ことになるので、さらに乳酸が多い状態になってしまいます。
そして重篤な「乳酸アシドーシス」を発現する恐れがある、ということですね。
乳酸アシドーシスとはどんな状態なのか
では、乳酸アシドーシスとはなんでしょうか。
とあります。
乳酸が体内に異常に多くなってアシッド(酸性)になってしまうことで、危険な状態になってしまいます。
造影CTが原因で乳酸アシドーシスになる確率は低いようですが、患者さんが確実に休薬しているかチェックしておくことは大切です。
では、造影CTが予定されている場合にはどれくらいの期間、休薬するのが望ましいでしょうか。
ESURのガイドラインでは以下のように提唱されています。
図にすると、こんな感じ↓
造影によって腎機能が低下する(かもしれない)時期とビグアナイド薬を服用する期間がかぶらないようにしていますね。
どこまで休薬期間をおくかは病院によると思いますが、指示された通りに患者さんが休薬しているかは確認しましょう!
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