ゼロから教えます!最初にやる、胸部レントゲン撮影のコツとポイント

こんにちわ!放射線技師ブロガーのカロン@muscle_radioです。

放射線技師になって一番最初にやる撮影といえば、胸部レントゲン撮影ですよね!

ベテランの放射線技師さんにもなると、流れるように次から次へと撮影をするので、なんだか簡単そうに見えますが、実際にやってつまづいてしまう人も多いのではないでしょうか。

 

「みんな、あんなに簡単そうに撮影しているのに、自分はこんなに時間がかかって、しかも失敗してしまった…」

 

なんて深刻に考えちゃう人もいるかもしれません。

 

今は簡単そうに撮影している先輩も昔はたくさん失敗しているはずなのでそこは心配する必要はないですよ!

しかし、ただ何も考えずに撮影すると同じように失敗してしまいます。

 

自分がいつもどうやって撮影しているかを意識するためにも、この記事を読んで役立ててみてください!

胸部レントゲンを一発で成功するコツとは?

 

さあ、みなさんの病院は胸部をどのシステムで撮影していますか。大きく三つに分けられると思います。

    1. FPD
    2. FPDとは似て非なるもの
    3. カセッテを毎回セットするやつ
FPD
まず、FPDの撮影です。これは便利ですよね。すぐに確認ができるし、肺野が欠けていても、撮影してから再撮影するまでの時間がめちゃくちゃ短いので患者さんが動くこともほとんどなく、再撮影ができます。ただ、一番初めからこれだと、なんとしても一発で成功させるぜ!みたいな執念が減ってしまうかもしれません。

 

FPD みたいなやつ
次に胸部用の機械の中に何回でも撮影できるようのカセットが充填してあるもの。説明がわかりづらくて申し訳ないです。簡単にいうと、FPDの読み込みが遅いバージョンです。正式名称がわかれば教えてください。わたくしは一番最初の病院でこれを使っていて、どこの病院もこれをつかっているんだろうなと思っていました。その時のものはサイズが17×17インチで何も考えなくてもミスすることはそんなに無いかとおもいます。

 

毎回セットするメンドクサイやつ
最後に、撮影するたびに、カセッテをセットして、撮影して、読み込んで、を繰り返すもの。いま、わたくしの病院で使っているのがこれです。

 

ということで、上二つのシステム(FPDや17×17インチのCR)を使用している病院では胸部正面撮影で失敗することはほとんどないと思います。

カロンの勤める病院でもそうなのですが、最後の毎回カセッテをセットするシステムで撮影していると失敗しないかヒヤヒヤすることも多いんですよね。

 

今回はそんな、少し古い撮影システムのもと頑張っている新人放射線技師に向け胸部レントゲン撮影のコツを書いていきます!

 

 

縦で使うか、横で使うかそれが問題だ!

 

基本的に横じゃないと入らない人ってそこまで多くはないと思います。ただ、横にして撮影したほうが安心して撮影できると思います。

 

ですので、どのくらいの体格であればカセッテを横にした方がいいのか、などを毎回意識してみるといいですよ!

 

時間があれば、準備をしておこう!

 

透析後などで毎月、胸部レントゲンを撮影するような患者さんで横にすべき人がいるときはリストなどにしておいて、毎回迷わないようにしておくというのが大事ですよね。

 

慣れないうちは、その日にレントゲンの予定が入っている人で透析患者さんがいれば、横で撮ったほうがいいのかを事前に調べておくといいですよ!

 

そうすればスムーズに撮影できて、時間の短縮につながります。カロンも始めはそうしてました。

 

さあ、肝心の撮影時のポイントなのですが、

自分の中で、こういう順番でやるんだ!

 

という流れを決めておくと良いです。そういうルーチンをつくっておくことで、ミスも減ると思います。

 

ヤマハ発動機ジュビロ 選手紹介より

 

 

そういうわけで、カロンの胸部レントゲン撮影時のルーチンを紹介していきます。

 

 

まず、大きくわかりやすい声で患者さんを呼び込みます。そして、笑顔で撮影室まで案内しましょう。

患者さんにとって放射線技師の与える印象がそこの病院の印象になってしまうこともあります。誰かが素敵な接遇をしても、そのあとによくない対応を他の誰かがしてしまったら、その患者さんはそこの病院によくない印象をもってしまいます。人は良いことより悪いことのほうが記憶に残りやすいですからね。

 

撮影室まで案内したら、まずは名前と生年月日の確認です。患者さんのなかには違う名前で呼ばれても勘違いしてついてきてしまうかたもいます。

 

自分も何回か違う患者さんが来てしまった経験があります。

なのでここはめちゃくちゃ大事です。聞き取れなかったとしても、恐れずもう一回聞きましょう。いやな顔をされても気にせず、しっかり本人確認を徹底しましょう!

 

 

名前の間違いがなかったら次に、患者さんの服装や状態を確認をしましょう。

 

無地の黒Tシャツを着ててくれていればベストですが、そんな放射線技師にとって都合の良いような人はほとんどいないです。

金具などのわかりやすいNG例がであれば指摘しやすいのですが、ちょっともっこりしたプリントがある場合など、

 

「どうしよう…(´-ω-`)ウーン」

 

と悩んでしまうことも多いでしょう。

 

基本的に考えるだけ無駄なので、そんなときは全部脱いでもらって病院のTシャツを着てもらうのがベストです。

時間がかかるかもしれませんが

そのまま撮影して、「あぁ~大丈夫かな。自分には何も映ってないように見えるけど、医師が見たらなんか写ってみえるのかな…」とか余計な心配をしてしまうよりマシです。

 

 

着替えてもらったら、撮影台まで案内しましょう。ですがここでも気を抜かず、案内する際に軽く背中に触れるフリをしてブラジャーがついていないか最後の確認です。あれだけ言っても

 

「なんで外してくれないんだ~!!(#`Д´)」

 

っていう方もいますので最終チェックをしておきましょう。

 

ここまできてようやくポジショニングの開始です。

まず胸をつけてもらい、両手を大きく撮影台をかかえてもらうようにします。だいたいこれで肺野から肩甲骨がはずれてくれます。

 

 

つぎに高さをあわせます。よく言われるのは頸椎の棘突起をさわってそこを一番上にあわせるやりかたですね。ただ、細身の女性の場合、触った箇所よりも肺尖がめちゃくちゃ上がっている方もいます。

 

ですので細見の方が来たら、気持ち上げ気味にカセッテを動かしましょう。

患者さんの体型によってもカセッテをうまく調整できるように、日々、意識しておくことが大事です。

 

次に体がちゃんとカセッテに収まるように調整するのですが、これが大変ですよね。

 

 

昔は照射ランプの中心線に椎体の棘突起を合わせていたりしたのですが、どうもうまくいかないことが多かったです。

 

今は最初だけ照射野を広めにして、影が左右対称になっているかを確認しています。撮影台の前面にマーカーがあればいいのですが、ない場合はテープを張ってそのうえからマジックで線をするなどしてみましょう。

 

自分の仕事がしやすいように環境を変えるのも大事です。そのマーカーから見て対象になっていれば大丈夫です!というかこれ以上できることはありません。カロンは、このやりかたにしてから失敗する数はグンと減りました。

 

ここまできたら、撮影です。一度決めたポジショニングはもう触らないようにしましょう。時間の無駄です。

 

最後にしっかり照射野をしぼって撮影です。画像を確認して患者さんを次のところに案内しましょう。

 

 

患者さん役は体勢がキツイ!早めの撮影を!

 

こんな感じの流れです。あと自分のいつも思っていることを何点か…

 

 

レントゲン撮影はスピード勝負です。自分も後輩の練習のために患者さん役をよくやるのですが、撮影台の前に胸をつける態勢ってけっこうキツイんですよね。

日々、JOY FITで鍛えている若者でもキツイのに、あの態勢をしてくれる患者さんの皆様には頭が下がります。

 

なので、慣れてきたら、時間をかけずに撮影することを心がけましょう。自分も昔はよく言われていました!

相手のことを考えて仕事するのが大人ですからね。

 

 

もう一つ、撮影時に患者さんのもとを離れる際、患者さんから目だけは離さないようにしましょう。

急に患者さんが気分悪くなって倒れるかもしれません。一番近くにいて助けられるのはあなたです!

 

撮影したらすぐに患者さんのもとに駆け寄りましょう。相手のことを思いやれるのが大人ですからね。

 

 

というわけで、少し長くなってしまいましたが、参考にしていただければ幸いです。

でも一番大事なのは患者さん間違えをしないことです。ここだけは絶対に約束しましょう!

 

 

まとめ

  • 患者さんには笑顔で!
  • 服装と状態をよく観察しよう!
  • 聞きづらくても本人確認は正確に!

ではまた!

レントゲン撮影のコツとポイントをまとめたページはコチラ!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

カロン

大学卒業後、大学病院、透析クリニックを経て、民間の総合病院に勤務しています。 自身の経験から悩める新人放射線技師や放射線技師を目指す学生に発信していきたいと思っています。 ◇保持資格◇ ・診療放射線技師免許 ・第一種放射線取扱主任者試験合格 ・AHA BLSヘルスケアプロバイダーコース受講済み