みなさん、こんにちわ!放射線技師ブロガーのカロン@muscle_radioです
6月に入ると、新人放射線技師の方々も一般撮影に慣れてきて、整形領域のレントゲンもバンバン撮影していると思います。
さて、整形のレントゲン撮影で悩むところというと、今撮影した体位からどうポジショニングし直せば、良い画像ができるのか?
というところだと思います。
画像を見て、角度が浅いから、もう少し角度をつければOK!とすぐに理解できるようになりたいですよね!
一番わかりやすいのは3DCTで実際の患者さんの骨を再構成して角度を変えてどういう風に見えるのか検証するのがいいと思います。
しかし、新人のうちはワークステーションの使い方などもわからないと思うので、このサイトで画像を使って少し説明していきます。
今回は肩関節撮影、スカプラY撮影の角度を変えた時の見え方について解説していきます。
肩関節正面撮影は入射角度を変えるとどう映るのか?
基本的に肩関節の正面撮影は̚非検側をカセッテから浮かせて肩関節が抜ける(上腕骨頭と肩甲骨が重ならないようにして、関節腔がきれいに見える)ように撮影します。
経験を積んでいけば、肩関節を抜くこと自体は自然と慣れていきます。
もし、角度をつけすぎていれば、下の図のように鎖骨が上腕に近くなってしまうので、わかりやすい指標になります。
さらに一歩進んだ放射線技師になるため、ここで注意してほしいのは、入射角が適切になっているか?とういうことです。
肩関節の頭尾方向に20度角度をつけるというのは、肩峰と上腕の重なりをなくし、肩関節を見やすくするためだということはご存知だと思います。
しかし、もちろんこれは普通の人の場合を基準にしているので、患者さんによっては、この入射角を調整しなければいけません。
たとえば、円背の強い(腰の曲がった)患者さんの場合、何も考えずに普通に立ってもらって入射角20°で撮影してしまうのはナンセンスです。
正面から見ると、通常の想定している患者さんはこの状態から20°角度を振っています。
しかし、円背の強い患者さんの場合はこの状態
から20°振っていることになるので、角度をつけすぎていることになります。
腰が曲がっている状態でいつもと同じように20°で管球を合わせて撮影すると、下の図のようになってしまいます。
鎖骨が上から上腕骨に近づくようになり、上腕上部の関節腔が小さくなっていますよね。
撮影に慣れてきたら、入射角も気にしてポジショニングをしていければ一人前に近づけます!
こういった画像が出てきた場合は、放射線技師がプロテクターを着て支えるか、通常よりもにゅうs角度を浅くするようにしてみましょう。
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スカプラY像撮影時のポイント!
スカプラY像を撮影する際にも正面と同じことが言えます。
本来であれば、このように撮影されればベストですが、
先ほどのように腰の曲がった患者さんで通常のように20°で入射させると、
この画像のように、上腕骨が肩甲骨より上に出てしまい、肩峰下の関節(オレンジ線で囲った部分)が描出されなくなります。
この場合も角度をつけすぎているのが原因なので、角度を浅くするようにしてみましょう。
また、スカプラY像の場合は、肩甲骨と上腕の位置関係が体を回旋し過ぎているかの指標になります。
回旋し過ぎ(角度をつけ過ぎ)の場合はこちら
上腕骨が肩甲骨の前に見えますよね。
次に回旋が足りない(角度が浅い)場合はこちら
上腕骨が肩甲骨の後ろ側に見えますね!
スカプラY像の回旋具合についてはイメージしやすいと思いますが、一応写真を乗っけておきました!
どんな患者さんでも同じような画像を撮れるように!
今回は3D画像を用いて、肩関節撮影について解説しました。
肩関節がきちんと抜けているか。肩甲骨がY字になっているかは気にしていると思うのですが、入射角のことまで意識して撮影している人は少ないかと思います。
ですので、入射角によって写真がどのように変わるかを知っておくと、いざという時に役立ちます。
教科書的な角度を覚えることは大切です。
しかし、それは基本的に健康な人を基準にしています。
ですので、基本的な角度を覚えたうえで患者さんに合わせた撮影ができるようになれれば一人前です。
撮影に慣れてきたら、さらに一歩進むためにそういった意識もしていくといいですよ!
では!
整形レントゲン撮影はちょっとした角度で違って見えてしまいます。
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