みなさんこんにちわ。放射線技師ブロガーのカロン@muscle_radioです
前回まで、新人放射線技師の最初の壁である胸部撮影について解説してきました。
今回は、胸部の次に撮影するであろう、腹部レントゲン撮影の基本とポイントを話していきます。
⇓胸部レントゲン撮影はコチラをチェック!⇓
腹部レントゲン撮影をする意味
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胸部レントゲンについで撮影する頻度の多いのが腹部レントゲンだと思います。
腹部レントゲンには立位で撮影するパターンと、臥位で撮影するパターンの二種類があります。
ここが他の撮影とは違うところではないでしょうか。
胸部レントゲンであれば、立位や坐位で撮影したのであれば、臥位で撮影することは、まずありません。
しかし、腹部では立位で撮影し、臥位でも撮影するということが多いです。
なぜ、腹部立位では横隔膜をしっかりいれなければいけないのか?
立位で撮影して、鑑別するものといえば、みなさんももちろん知っていると思いますが、
基本的にフリーエアーと二ボーです
二ボー(液面鏡成)→イレウス
ご存知の通りこんな感じになるのですが、
二ボーが見えるようなイレウスであれば、ほとんど臥位で撮影しても、イレウスの判断はつきます。
そうなると、腹部を立位で撮影する一番の意味といえば、フリーエアーがないか?ということになります。
⇓なぜフリーエアーを見逃してはならないかはコチラにまとめてあります⇓
それで、フリーエアーは立位の場合、横隔膜の下に分布してくるので、絶対に横隔膜を欠かさないようにしましょう!
ということになるんですねえ
上の写真では、右の横隔膜の下にフリーエアーがトラップされています。
右下の画像は腹部臥位なのですが、フリーエアーの存在を確認することはできません
このように、横隔膜の直下にフリーエアーがくることがほとんどなので、立位の撮影では横隔膜が入っていなければ、立位で撮影する意味が全くないということになります。
たまに、ポータブルで
「坐位で腹部レントゲン撮影して!」
と言われることがあるかもしれません。
カロンも一年目の時に言われたことがあり、その時は大した知識もなかったので
「坐位でもしっかりと膀胱あたりまでいれなければ!」
と思って、大変な思いをして撮影したのですが、
横隔膜さえしっかり入っていればよかったのではないかと恥ずかしく思っています。
大切なのは、撮影する目的を考えること
ですので、ふだんレントゲンを撮影する時も
その撮影で何が見たいのかという目的をしっかりと意識することが大事です。
ちなみに、坐位にしてから、体内のフリーエアーが体の上方まで移動するのには時間がかかるので、坐位にしてから撮影までは少し時間をおくといいですよ!
また、外科のオペ後にはフリーエアーが残存することが多く、オペ後7日ぐらいは存在しても問題ないようですが、空気がちゃんと減少しているかを確認するために継続的に撮影する必要があるのです。
CTではフリーエアーの存在自体はレントゲンに比べ確認しやすいですが、被爆やすぐに確認できるという観点から、CTがいくら性能が良くなっても腹部レントゲン撮影というものはなくならないんですね
上の画像は、右上腹部を拡大したものです
白矢印が横隔膜、黒矢印が肝臓の辺縁を指しています。その間に薄い三日月状の空気としてフリーエアーが描出されています。
最初はわかりにくいかもしれませんが、たくさん画像を見てこのような所見がないか目を慣らしていきましょう!
では今回のまとめです
横隔膜を絶対欠かさないようにしよう!
次回は、今回書けなかった、撮影のコツと引っ掛かりやすいポイントについて書いていきます。
⇓レジデントのためのシリーズの腹部画像編。カロンも先日購入し、読んでいます⇓
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検査前日の心得/造影CTの目的/ビグアナイド薬と乳酸アシドーシス
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