放射線取扱主任者試験の勉強はコスパが悪いのか?【合格者の体験談】

こんにちわ!放射線技師のカロン@muscle_radioです。

 

先日、放射線技師ヤマト@rad_yamatoさんが質問箱に寄せられた放射線取扱主任者試験についての質問に答えていらっしゃったので、自分もリプライを送ってみたところ、思いのほか、反響がありました。

ちなみに…
放射線技師ヤマトさんもブログをやってらっしゃいます。

このブログと違って本格的な勉強もできるのでぜひ見てください!

※最後におススメ参考書書いてあります!

ここで気になったのが、「コスパ」という言葉です。

 

ここでいう「コスパ」とは、かけたコスト(時間や労力、参考書代、友達と遊ぶ時間…etc)に対して、リターン(金銭的なインセンティブや地位etc)がどれだけ見合っているかということです。

 

たしかに「コスパ」という意味で表現するなら、放射線取扱主任者試験の勉強はコスパは悪いかもしれません。

 

というのも、カロンが就職してから、「放射線取扱主任者試験、受かっててよかったなぁ~」と思うことはあまりないからです。

 

なぜかというと、まず、第一に放射線取扱主任者を持っていても必ずしも手当が出るわけではないからです。

 

例えばマンモ認定を持っていれば手当が出る病院は多いのですが、放射線取扱主任者の場合はそうはなりません。

 

当然、主任者に関係のある業務をおこなっていれば手当はつくと思います。

しかし、どこの病院や施設も主任者関連の業務があるとは限らないので、手当がつかないことも多いです。

 

毎年、放射線取扱主任者試験に受かっている方たちがどれくらいの割合で給与アップに貢献できているかは気になりますね。

 

 

 

じゃあ、放射線取扱主任者試験を受ける意味はないのか?

 

たしかに、放射線取扱主任者試験の合格率はここ10年で30%に満たないので難易度は高いです。

参考:原子力安全技術センターより

 

この数字だけ見せられたら「頑張って勉強してもなぁ…」と思いたくもなりますよね。

 

ところで、この受験者数のうち、どれくらいの人が本気で勉強していたのでしょうか。

 

国家試験なら、「これに合格しなければ、働くことができない…!働かなければ、生きていけない…!!」という、相当追い込まれた状況での受験になります。

でも放射線取扱主任者試験の場合はどうでしょう。

 

合格したからといって就職できるわけではないし、会社から頼まれていたとしても落ちたところでクビになるわけではありません。

 

こういった状況では、なかなか人は本気になれないですよね。ヤマトさんの言う通り、生半可な気持ちでの合格は厳しいです。

 

では、放射線取扱主任者試験なんて受ける意味はないのでしょうか。

 

いえ、カロンはそうは思いません。

 

主任者試験の勉強をするなかで得るものは大きかったからです。

たしかに合格までの勉強はメチャクチャ大変です。

 

範囲もそれなりにあるので、友達と遊んだり、娯楽に費やす時間も犠牲にしなければいけません。

しかしそれでもカロンはやってよかったと思います。

 

主任者試験の勉強をした中での大学生活の変化

 

結果的にカロンは合格できたのでポジショントークと思われるかもしれませんが、主任者試験の勉強があったからこそ充実した学生生活を送れました。

 

そもそもカロンは頑張って大学合格したものの、放射線物理や放射線計測などの分野が全然理解できていませんでした。

 

理解できていないとどうなるか…

そう、ぜんっぜん面白くないんですよね。

 

当たり前ですが、それでも単位はとらなければいけないので、テスト勉強はします。このころは勉強の習慣がなく、テスト一週間前から勉強すればいいやという怠惰具合でした。

 

そんな有様なので、単位は取れても、評価はBやCばかりでした。

 

そんなとき(大学三年)に、放射線取扱主任者試験をまわりのみんなが受けるからという理由で自分も勉強し始めました。

その時に大学の先生言われたのは、毎年受かるのは2人くらいかな~

その言葉に刺激され、「よしっ!これで自分が受かれば評価も変わるはずだ!」

と一心不乱に勉強を始めました。

 

冬休みの2月、3月を勉強にあてることで、おそらく他のクラスメイトくらいの知識はついてきたと思います。

 

そして、冬休み明け、三年生の前期の授業や実験で、衝撃が…

「先生のいっていることがわかる!っていうか授業面白いぞ!」

そうです。大学の授業に限らず、世の中のことって理解できるとメチャクチャ面白いんです。

 

実験なんかも勉強していなかったころは苦痛でしかありませんでしたが、内容を理解していると、参考書などで勉強していたことをやるので、ものすごく身になります。

 

この時初めて、大学に来てよかったなぁと感じました。

 

大学で勉強していると、国家試験以外に目標がないことが多いです。

目標がないと、人間はだれてしまいます。もうこれはしょうがないものです。

そんな中で主任者試験という一つの目標を掲げることで学生生活にハリが生まれます。

 

そして主任者試験に受かったかどうかは結果でしかありません。

 

試験に受かろうが落ちようが、その過程で得た知識は自分の中に蓄積されます。

 

合格することよりもむしろ、絶対合格するという気持ちでやったということの方が大事です。

 

そう考えると、コスパという意味では悪いかもしれませんが、(学生生活での充実感や授業、実験に生かせる)といったコスパという言葉では表現できないようなリターンは大きいと感じています。

↑龍が如く5より

挑戦しなくていい理由を見つけることは簡単です。

でも目先のメリットとか考えずに、がむしゃらにやってみることが大事な時もあります。

理由なんてあとからついてくるし、今できるのは自分がやるべきと思ったことを全力でやるだけです。ぜひがんばってみてください!

 

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2019.04.29

 

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ABOUTこの記事をかいた人

カロン

大学卒業後、大学病院、透析クリニックを経て、民間の総合病院に勤務しています。 自身の経験から悩める新人放射線技師や放射線技師を目指す学生に発信していきたいと思っています。 ◇保持資格◇ ・診療放射線技師免許 ・第一種放射線取扱主任者試験合格 ・AHA BLSヘルスケアプロバイダーコース受講済み