[医療用語part3]にじみ出る!?滲出とは??

 

こんばんわ!病院にはびこる謎の言葉の意味を調査する放射線技師、カロン@muscle_radioです。
さあ、どんどん続きをやっていきましょう。

 

 

疝痛・疼痛

 

一定の時間をおいて周期的に現れることの多い、腹部の激痛  -ブリタニカ国際百科事典-

 

別の辞書では、「発作性の激しい腹痛」とあります。

となると、発作性ってなんだ!?ってなるわけですが、発作とは

 

病気の症状が突発的に起こること    -三省堂大辞林-

 

だそうです。上の説明でいうところの「一定の時間をおいて周期的に現れることの多い」のことを言ってると思います。

 

さらに疝痛の説明で、「患者は常に疼痛部に手を当て….」と続くのですが

 

またわからない語が出てきました。

解説って調べるほどわからない語がでてきますね。

 

ずきずき痛むこと   -デジタル大辞林-

 

なんとなくわかりますが、この、「疼」の字がなんとなくわかりにくさを助長させますよね。

 

「疼」の意味は「うずく」であり、「うずく」とは「脈打つように痛むさま」を言うのです。

 

ホントにややこしいですよね。

 

 

次はこれです

 

特発性

 

「とくはつせい」と読みます。同僚で、「とっぱつせい」と呼んでる人がいましたが「とくはつせい」です。

 

そしてその意味は

 

疾患に関して、原因が不明であることを意味する用語   -PDQがん用語辞典-

 

特発性間質性肺炎(IIP)や、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、特発性肺繊維症(IPF)などで

 

原因が不明であるがゆえに難病に分類されるものが多いです。

 

そしてこの特発性は英語で

 

 

ideopathic(イディオゥパスィク)なので略称は頭に「I」がつきます。

と覚えておくといいですよ!

 

 

 

あとよくわからないものに原発性という言葉があります

 

原発性

 

発病原因が特定の臓器や器官の障害にあることが明確な病気のこと。例えば、脳腫瘍や原発性肝がんなど。これに対して、別の原因によって特定の臓器や器官などに障害が起こる病気のことを続発性または二次性疾患という。例えば、腎機能や内分泌機能などの障害によって起こる二次性高血圧や、腎機能異常に原因がある二次性副甲状腺機能亢進症などがこの例にあたる  -血液用語辞典-

 

例えば、原発性肝がんなど

なんて言われてしまったらそれまでなので困ってしまいますよね。

 

原発性肝がんの94%は肝細胞がんで、肝細胞がんは、肝細胞自体ががん化したものです。それに対して、転移性肝がんは例えば、大腸がんなどから、がん細胞が血流に乗って肝臓に運ばれて、そこに着床してがん病巣をつくったもので、その性質は大腸がんの性質をもちます。この場合の転移性肝がんの性質は、原発巣である大腸がんなのです。

 

 

と、肝がんを例にして「原発性」について話してみましたが…文字が多くなるとちょっとわかりづらいですね。

 

とにかくそもそもの、おおもとの病気の原因のことを原発というようです。

 

 

ではもっとよくわからないものを見てみましょう!

 

 

漏出と滲出

 

腹水とか胸水の勉強をしていると、この二つの語が出てきます。

 

自分のノートを見ると

 

・漏出液→淡黄色透明、非炎症性

 

・滲出液→外観上は混濁していて血性ないし乳糜状

 

 

なんのことかさっぱりです…

 

滲出液は

 

 炎症により局所の血管透過性が亢進し、毛細血管から組織内にもれ出た血漿成分からなる液   -大辞林 第三版-

 

簡単にいうと、炎症により漏れ出た液は滲出液で、炎症により液が漏れ出ることを「滲出」と言うようです

 

 

それに対し、そもそも「漏出液」なんて言葉は存在しないようです

漏出の意味としてはもちろん

 

もれて出ること   -大辞林第三版-

 

 

なのですが、思うに、滲出は医療用語で、漏出は医療用語ではないのでしょう

 

胸水や腹水でのそれらの分類として、

滲出液はたんぱく質が多い液体で、漏出液はたんぱく質が少ない液体

といった、ざっくりとした分け方になるようです。

 

 

 

もっと厳密な違いがあるのでしょうが、これくらいざっくりで覚えておくにとどめておいた方がいいかもですね…

 

漏出液なんて言葉は存在しない!って書いておいて、漏出液はたんぱく質が少ない液体という解説は矛盾してる気がしますが…(笑)

 

 

というわけで今回はここまでです!

 

では!

レントゲン撮影のコツ・ポイント

胸部/腹部

頸椎(側面)/頸椎(斜位)/頸椎(開口位)

腰椎(正則)/腰椎(斜位)/腰椎(前後屈)

骨盤(インレットアウトレット)/股関節(ラウエン、軸位)

肩関節(正面,スカプラY)/肩鎖関節

手関節/肘関節/尺骨神経溝

大腿骨/膝関節(側面、スカイライン)

踵骨(軸位)/アントンセン

 

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ABOUTこの記事をかいた人

カロン

大学卒業後、大学病院、透析クリニックを経て、民間の総合病院に勤務しています。 自身の経験から悩める新人放射線技師や放射線技師を目指す学生に発信していきたいと思っています。 ◇保持資格◇ ・診療放射線技師免許 ・第一種放射線取扱主任者試験合格 ・AHA BLSヘルスケアプロバイダーコース受講済み