こんにちわ!放射線技師ブロガーのカロン@muscle_radioです。
今回も前回に引き続き、イラストを使って整形レントゲン撮影の修正の仕方を学んでいきましょう!
今回は膝関撮影、特に側面撮影とスカイライン撮影をおこなっていきたいと思います。
膝関節撮影といえば、整形撮影のなかでも撮影数が多く、なるべく再撮影がないように素早く終わらせたいですよね。
慣れてくると、側面もわりと安定して撮影できるようになるのですが、突如スランプになって、
なんてこと、ありますよね。
すべての患者さんを一発で撮影を成功させるのは難しいです。
しかし、一発目で上手く撮影できなくても、画像を見て、どう修正すれば良い画像になるのかを瞬時に判断できるようになるのが非常に大事です。
膝関節側面撮影で覚えるべきは、内踝と外顆の違い!
膝関節(大腿骨の遠位端)をCTのように輪切りにしてみると、以下の図のようになります。
腓骨側の方を外顆、反対足側の方を内踝といいます。
それぞれに特徴があるのですが、あまり書きすぎるとわからなくなるので、ポイントだけ!
ただ、大きさでどちらが内踝なのか外顆なのかを見分けるのはなかなか難しいです。
ですので、内踝は丸くてきれいな辺縁、外顆はゴツゴツしてくぼみがあることは覚えておいてください。
そして、外旋している画像と内旋している画像の特徴を下にまとめます
脛骨と腓骨が重なる
外旋→内踝と外顆のつくる谷が下に大きく映る
内踝と外顆のつくる谷とはなんだろう?
とお思いでしょうが、実際に見てもらった方がはやいです。
こちらの画像を見てください。
この画像のどこらへんに谷ができているかというと、オレンジの丸で囲んだところです。
外旋している時の特徴は、谷が下側に大きくできるのが特徴です。
脛骨と腓骨の重なりは、正しい側面の時とそんなに変わらない気がします。
また、外顆側が前に出るので、先ほど説明したくぼみが現れます。しかし、よ~く目を凝らさないと見えないくらい小さいのでそれを基準にするのもなかなか難しい…
というわけで外顆と内踝のつくる谷を指標にするのが、見分けやすいと思います。
次に内旋の画像を出します。
内旋の時の特徴はあまりないのですが、強いて言うと
内踝と外顆のつくる谷が前面にできる、あるいはほとんど見えないということ。
そして
脛骨と腓骨の重なりが大きくなるということです。
確認しやすいのは脛骨と腓骨の重なり具合を見ることです。
脛骨の上位端だけでなく、下の方も腓骨とのすき間がなければ内旋しすぎていることがわかります。
↓外旋時と内旋時の谷の違い
慣れるまでは見分けるのが難しいと思います。
ですので、ずれていたら最初は脛骨と腓骨の重なり具合を見てみましょう。
重なりが大きければ内旋気味、
重なりがないのにずれていれば外旋気味
ということになります。
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スカイライン撮影の修正のコツは膝蓋骨と脛骨の距離を見よう!
つぎにスカイライン撮影です。
スカイライン撮影は膝の曲げ具合とX線の入射角度で、きれいに撮影できるかが変わってきます。
教科書的にスカイラインは、大腿骨と脛骨を120°くらいにして撮影するように言われています。
そして、ベストなスカイライン像がこちら、
脛骨の山と大腿骨の谷が同じ高さになるようにする
膝蓋骨の上端と下端が二重に見えないようにする。
こうすることで大腿骨と膝蓋骨の関節がきれいに見えるようになります。
X線入射角の図を描きました。
①が通常よりも浅い角度、③が通常よりも深い角度になります。
それぞれの入射角でのX線像がこちらです。
浅い角度の場合、膝蓋骨がより大きく二重に見えます。
そして大腿骨と膝蓋骨のすき間がせまくなります。
逆に深い角度の場合は脛骨の山が大腿骨の谷より上になるため、膝蓋骨とのすき間がせまくなります。
どちらの場合も膝蓋骨とのすき間はせまくなるのですが、大腿骨と脛骨、どちらの骨の影響でせまくなっているのかがポイントです。
大腿骨と膝蓋骨が重なる→角度浅!
脛骨が大腿骨より上に出て膝蓋骨と重なる→角度深!
また、この理屈でいくと
同じ入射角度にした場合、
膝を曲げすぎると、入射角は深すぎ、
膝を伸ばし過ぎると、入射角は浅すぎる像と同じようになります。
膝が伸びないようであれば、足首を持ってあげて、さらに入射角を90度近くまで変えてみるというやり方も考えてみましょう。
といことで、今回は膝蓋骨の撮影方法の修正のコツを解説しました。
角度の違いにより、脛骨と腓骨がどう写るか、他の骨との重なり具合はどうか、
このあたりを意識してみると再撮影時も良い画像ができるようになりますよ!
次回からは失敗した画像を見て、どこが悪いのかを考えてみるとさらにレベルアップできると思います。
整形領域のレントゲン撮影は角度がキモになります。ほかの撮影も解説しているので、見てみてください。
では!
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