MRIの検査室の中に患者さんを案内して、検査する直前に
「あれっ!なんでこんなもの持ち込んでるの!!?」
という風に慌てたことありませんか。
私は何度もあります。
こんにちわ、MRIではおじいちゃんおばあちゃんのアクセサリーに翻弄され続けているカロン@muscle_radioです。
みなさんご存じの通り、MRIでは金属類の持ち込みは厳禁です。

といっても、絶対に金属類の持ち込みによるインシデントは少なからず起きてしまいます。
自分の不注意、確認不足または患者さん自身が忘れていたり、認識をしていなかったり。。。
そういうことを起こしてしまうと、検査前から気持ちが沈んでしまいますよね。
そんな心理的状態でいい検査はできないので、この記事を読んで一緒に金属類持ち込みを少しでも減らせるようにしましょう。
事前にやる問診やチェックシートの確認事項を流さない
病院によりけりですが、基本的にMRIの検査を受ける患者さんには用意されているチェックシートとともに確認してもらうと
思います。
時間がない中で毎回毎回めんどくさい!と思うかもしれませんが、なんだかんだ言ってこれが一番有効な方法かもしれません。
放射線技師側からしても、毎回言っていることでも伝え忘れてしまうことは人間なのであります。
また、経験の浅い放射線技師でもチェックシートを使うことである程度までは金属持ち込みは防げるのも事実だと思います。
そして事故を起こさないために大事なのが、自分でこの項目は確認しなくてもいいだろ。と判断してしまうことです。
おじいちゃんだし、ヘアピンなんて聞いてもわからないし、持ってるわけないだろ

と省きたくなりますよね。
でも、そういう時に限って何か隠し持っているんです。
とくにヘアピンは何本飛んだかもわからないし、小さいし隙間に入ったら悲惨なことになります。
そしてあとで、「ちゃんとチェックシートのこと全部確認した?」
と聞かれても何も言えないですよね。。。
というわけで、忙しいときでも必ず全部確認すること(口頭とチェックシートの両方で!)

不安な場合は患者さんの服を全部着替えさせたいが…
若い人なら大丈夫かもしれませんが、高齢者の方となってくると自分が体に何を付けているかも忘れている人も多いです。
頭のMRIだからズボンまでは着替えなくていいか、と思っていたら、ズボンのポケットの奥からヘアピンが飛び出してきたり
夏なのに、靴下の内側にカイロを張っていたり。。。
ホントに信じられないものが出てくるのが現実です。
こういったことを考えると、もう検査するひと全員検査着になってもらった方がいいんじゃないかと思えてきます。
しかし、総合病院の場合はカツカツの時間の中でやっているでしょうし、
そもそも自分で何を身に着けているかわからない人こそ、検査着に着替えるのも一苦労な場合が多いので簡単には移行できないですよね。。。
ということで、自分でなにを身に着けているかわからない(と思える)人には患者さんの体を触らせてもらいましょう。
怒られることも承知で頭の先から足の先まで実際に自分で触って固いもの、違和感がないかをしっかりチェックしましょう。
検査のために本当に申し訳ないけれど、触らせてくださいと誠意をもって言えば大体の人は怒りません(たぶん。。)

『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』より
怒られたとしても、それで見逃して事故につながるよりはマシだと思いましょう。
若い人に触るのは抵抗があるかもしれませんので、自分で身振り手振り、ポケットの中、腕、足に何もついてないか確認する動作をすることで患者さんにも自分で触って確認することを促すことができます。
とくにポケットの中はしっかりと奥まで手を突っ込んで確認してもらいましょう。

新人放射線技師が最も気をつけるべきもの!
MRIの入室前に一番気を付けなければいけないもの、
それはペースメーカーです。
医療事故のなかでも最悪で取り返しのつかないもの、それは人の死です。
それに一番つながると思われるのがペースメーカーの持ち込みです。
最悪、これだけ入れないようにしましょう。これだけは取り返しがつかないので。。。
なので救急でも、急いでいる病棟患者さんでも絶対に胸のあたりを触って確認する。
これだけは徹底するクセをつけましょう!
また、MRI入室時に放射線技師だけでなく他の人も絡んでくるとトラブルは増えるものです。
ストレッチャーの患者さんで、シリンジがついたままベテラン看護師風の人がそのまま入室しそうになったら、新人放射線技師がそれを見ても、

とスルーしそうになりますよね。
ですので、放射線技師以外が携わってくる時にこそ注意を払いましょう。
また、杖をついたまま検査室に入りたがる患者さんもいます。
「木製っぽいし、大丈夫だろ」
と入れたくなりますが、やめときましょう。
ちょっと大変かもしれませんが、MRI対応の車いすに座ってもらって移動しましょう。
そして病棟の患者さんで、カテ後の出血を止めるために砂嚢?を置いていたのを忘れて、そのままMRI室に入れた事案も聞いたことが
あります(タオルで隠されていた)。ですので、ストレッチャーの患者さんも必ず一回はタオルを取らせてもらって確認しましょう。
電話でコレがあるんですけどMRIは可能ですか?と聞かれたら
よく電話で、看護師さんから「この患者さん○○なんですけどMRIは可能ですか??」という質問をされると思います。
ですが、基本的に主治医に確認してもらうようにしましょう。なにかあっても放射線技師で対応することはできません。
確実に絶対大丈夫と言えるものの場合はいいですが、そうでなければ絶対に医師に確認してもらうように伝えましょう。
シャントや歯列矯正なども、どういったものを使っているかはわからないので施行した医師に確認してもらうことが鉄則です。
安易に大丈夫ですと言わないようにしましょう。
おススメ参考書
●もうすぐMRI研修が始まる!そんな君にはコレ!先輩の質問にも軽く返答できるはずです
●余裕が出てきて原理までしっかり押さえておきたいならコチラ!
●ついにユキティ本でもMRIの本が出ました!わかりやすさに定評があります
▼レントゲン撮影、CT、放射線技師の転職の記事には下のリンクからも飛べます!▼
レントゲン撮影のコツ・ポイント
