【学生必見】診療放射線技師の仕事内容ややりがいを現役技師が語ります

こんにちわ!放射線技師のカロン@muscle_radioです。

 

ふだんは若手放射線技師さん向けにレントゲン撮影やCTの解説記事を書いていますが、今回は放射線技師の仕事って何をしているの?という学生さんにも向けて発信していこうと思います。

 

 

というのも、ネットで「放射線技師 仕事内容」と検索してみてもこのように、大手の就職サイトばかりがヒットしてしまいます。

それはいいのですが、どのサイトを見ても上辺だけのことを書いてあるような…

 

もっと放射線技師の仕事内容をリアルに伝えているサイトはないのか!(#`Д´)凸

学生たちが本当に欲しているのはこんな情報じゃないだろ!((“o(>ω<)o”))

 

という怒りのもと、もっと役に立つ、現役放射線技師だからこそ書けることを書きたいと思い、この記事を書きました。

 

 

放射線技師とレントゲン技師とX線技師の違いは?

 

さて、まずは名称の違いですが、放射線技師とレントゲン技師とX線技師なんて色々な言い方を聞いたことがあると思います。

 

自分も医療系以外の人とお話しする際には、

「あぁ~、レントゲン技師さんね!」

とか

「X線技師さんなんですね。」

と言われることはあります。

 

 

しかし、勘違いしてほしくないのは、わたしたちの正式名称は

診療放射線技師なのです。

 

 

そして、診療放射線技師は、国家試験に合格した国家資格保持者なのです。

※機動戦士ガンダムの明言より

 

Point1.正式名称は診療放射線技師で免許は国家資格!

 

まずはここを間違えないようにしましょう。

 

わたしは「レントゲン技師」と言われても訂正するのが面倒なのでスルーしていますが。。。

 

放射線技師の国家試験を受けるためには、国や県が指定した学校にて勉強する必要があります。

(養成校で何年か勉強してはじめて受験資格が得られるということ!)

 

ちなみに

「放射線技師になりたい!だけど文系に進んじゃったしな…」

「物理とか苦手だから放射線技師になるのは大変だろうな…」

とあきらめている人はコチラの記事を見てみてください!

放射線技師を目指すのに文系や物理を習得していない人は不利なのか?

2018.07.02

文系だから放射線技師になれないはウソ!?【現役放射線技師が解説】

2019.08.31

 

 

放射線技師学生の就職活動はいつやるの?

 

放射線技師の国家試験は例年2月に行われます。

 

そして就職活動もやらなければいけません。

もちろん、卒業研究もやります。。。

 

▼大学4年生のイメージ(専門3年生)▼

ということで、卒業する直前まで大忙しです。

 

なので他の学部みたいに

「卒業旅行どこ行こうか~♪」

なんて言っている余裕はないかもしれません。

※わたしは卒業旅行は草津温泉に行ってきました。

 

ちなみに放射線技師の就職活動は一度に何個も病院を受けません。

 

そして内定が出たら基本的に断れません。

そこの病院に行くというのが暗黙の掟となっています。。。

 

Point2.放射線技師の就職活動はちょっと違うところがある!

 

 

放射線技師の仕事内容、できることや役割とは

 

さて、放射線技師が何が出来るかというと、放射線を人体に当てることができます。

 

ここで大切なのは

※医師や歯科医師の指示を受けて

という但し書きが入ります。

 

そう、放射線技師は勝手に人体に放射線を当てることはできません。

医師の指示(オーダー)があって初めて仕事ができるのです。

 

ですので、患者さんが直接放射線技師に

「肘も痛いからついでにレントゲン撮ってよ!」

と言っても撮影することはできません。(よくあります)

 

Point3.放射線技師は医師の指示がないと人体に放射線技師を出せない

 

 

では、放射線を使った検査にはどんなものがあるか紹介していきます。

 

1.レントゲン撮影(一般撮影)

 

診療放射線技師の仕事として一番ポピュラーなのが、このレントゲン撮影ですね。

 

レントゲン撮影のイメージが強いせいでレントゲン技師さんと言われることもありますが、レントゲン以外の撮影もできます。

 

健康診断で行う胸のレントゲン撮影や、転んだ時などに骨の異常を確認する整形領域の撮影も多くあります。

 

患者さんが動ける方であれば、1検査数秒で終了します。

 

※整形領域では、肘や足など、全身のあらゆる場所のレントゲン撮影をします。主な目的としては、骨折があるかどうかなど。

ここである程度確認してからCTなどの精密検査に移ることもあります。

 

2.CT検査

 

ドーナツ型の機械を使って、人体を輪切りにした画像をつくります。

 

▼JART(放射線技師の会みたいなところ)のサイトにCT室の裏側を見せる動画がありました。▼

こんな感じで診療放射線技師はCTの撮影を行っています。

 

CT検査の場合、検査自体は5分もかからず終わります。

 

装置も画像もMRIとすごい似ていますよね。

 

自分も学生時代は恥ずかしながら、どっちがどっちなのかわからなくなることがよくありました。

また、CTとMRIをどう使い分けていくかもわからないと思いますが、CTとMRIそれぞれが自分の魅力を発揮しやすい病気があるということです。

 

 

3.MRI検査

 

実はこれだけ今までの2つの検査と違うことがあります。

 

なにが違うのかというと、、、

放射線を使わない!

という特性があります。

 

MRIの原理は難しくて、何回勉強しても忘れそうになるのですが、

ものすごく簡単に説明すると、磁石の力を使って体の中の水素原子を利用して画像化しています。

 

そして放射線を使わない検査なので、じつは臨床検査技師さんもMRIを使うことができます。

(放射線技師がやっている病院がほとんどだと思いますが。。。)

 

わたしが昔、見学に行った病院では放射線技師と臨床検査技師が一緒にMRI検査をしていました。

 

▼メディカルトピア草加病院さんのMRIの動画がありました▼

こうして見ても、CTとMRIの機械の外観ってそっくりですよね。

 

もはや、わざと似せているレベルなのではないかと思うほどです。。。

 

そして、MRI検査の特徴はもう一つ。

 

長い!そして大きな音が出る!

 

ということ。

 

CTは5分もかからず終われるのですが、MRIは絶対に終わりません。

 

なんとかして色々な検査パラメータを調節して早く検査が終わるように工夫するのも放射線技師の仕事になります。

(ずっと同じ体勢でいるのは辛いですよね。特に腰痛の方とかは。。。)

 

 

4.X線TV装置(胃部のバリウム検査も含む)

 

ここからは少しマニアックになります。

 

こちらは公益財団法人中国労働衛生協会さんの動画。

かの有名なバリウム検査です。

 

ゲップしちゃダメなやつです。

 

これも放射線技師がやります。

 

また、このバリウム検査で使用している機械がX線TV装置といいます。

 

この機械を使って、患者さんの体を透視しながら、内視鏡の検査をしつつ、体内にある異物(ex.胆嚢にある胆石など)を回収したり、患者さんの骨の様子を見ながら脱臼した骨を関節に戻したり(整復)したりもします。

 

実際に手技(患者さんの体を治す)は医師がやりますが、放射線技師は機械を操作したり、医師がスムーズに処置できるように工夫します。

 

5.血管造影検査(アンギオ、カテーテル検査)

 

腕や足の動脈からカテーテルという細い管を人体に挿入して血管を造影(血管が細くなっていないか、詰まっていないかチェック)します。

 

心筋梗塞や脳梗塞などの非常に緊迫したシーンになります。

 

これも手技自体は医師がおこないます。放射線技師は医師の必要に応じて画像をつくったり検査のための準備をしたりします。

 

▼こちらは札幌東徳洲会病院の心カテの様子▼


▲こんな感じで心臓の血管を映します▲

 

特にカテ室での業務は一つ一つが患者さんの命に関わってくるので、放射線技師の仕事の中でもとくに緊迫感のある現場になります。

 

マヂで緊張します。マヂで。。

 

 

6.マンモグラフィ(乳房X線検査)

 

乳がんの検査として代表的なマンモグラフィ検査です。

ラジエーションハウスでもやっていたので、知っている方も多いともいます。

 

基本的に女性技師が担当します。

 

マンモグラフィにも認定試験があり、多くの技師さんがチャレンジしています。

 

7.骨密度検査(骨塩定量検査)

 

骨密度の検査のために使用します。

▼動画は医療法人北原医院のもの▼


腰椎や股関節の付け根の骨を利用して骨密度を測定します。

 

8.超音波検査(エコー検査)

 

超音波を使って、腹部や心臓、頸動脈(首の血管)などの画像を検査します。

こちらは放射線を使わない検査でリアルタイムに画像を見ながら検査していきます。

臨床検査技師さんが担当している病院が多いようです。

▼動画は公益財団法人中国労働衛生協会さんのものです▼

この他に、放射線治療や核医学といった分野もあります。

 

Point4.放射線技師の仕事はレントゲン以外にもCTとかMRIとかいっぱいある!

 

 

放射線技師の仕事をやっているなかでのやりがいとは

 

放射線技師の仕事のやりがいはなんといっても自分の知識を通して、患者さんの検査や治療に役立てていることです。

 

他の仕事だとなかなか自分が役立っている実感が湧かないかもしれません。

しかし、医療系、とくに放射線技師の仕事は、学校で学んだことも、国家試験での勉強も、現場で学んだこともすべてを使って検査や治療に役立てることができます。

 

これってなかなか他の職業だとないことだと思います。

 

仕事を通じて「ありがとう」と言われることも多いですし、カテやオペ室で治療の役に立てれば、めちゃくちゃ達成感はあります。

自分がまだ、カテ室での業務に慣れていない時に、緊急で心カテをやった患者さん(必死に心臓マッサージをしました)が助かった時は本当に嬉しかったし、やっててよかったと心から思いました。

 

また、検査する相手は人間ですので、「まったく同じような状況がない」というのも自分の成長につながります。

 

Point5.放射線技師の仕事のやりがいは患者さんの感謝と達成感!(と感じています)

 

 

放射線技師の年収は安いのか?平均年収はどれくらい

 

最後に、放射線技師の年収っていくらぐらいなのか気になりますよね。。。

 

国家試験を通って、実習をして、卒業研究をして、やっとの思いで手に入れた診療放射線技師の国家資格だからお給料もそれなりにいくはず。。

 

▼現役放射線技師の給料事情のリアルはコチラの記事で解説しています!▼

[現役技師が教える!]放射線技師の給料や年収っていくらぐらい??安いの?高いの?

2018.04.14

 

最後に

 

診療放射線技師の仕事内容ややりがいをお伝えしてきました。

 

今働いている身として、放射線技師という職業に興味を持ってもらえたことは本当に嬉しいと思っています。

 

 

世間では

「放射線技師は飽和しているから就職難だ」

とか

「放射線技師は給料安いし、将来性もないよ」

なんて適当なことを言う人もいます。

 

でも自分はこの職業に出逢えてほんとうによかったと思っています。

 

大切なのは人に何を言われても、自分はこれでやっていくという信念です。(他の仕事でも同じ!)

 

一人でも多くの人に診療放射線技師という仕事について知ってもらえるように頑張っていきますので、期待していてください!

 

相談があればTwitterでも@muscle_radioにメッセージください!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

カロン

大学卒業後、大学病院、透析クリニックを経て、民間の総合病院に勤務しています。 自身の経験から悩める新人放射線技師や放射線技師を目指す学生に発信していきたいと思っています。 ◇保持資格◇ ・診療放射線技師免許 ・第一種放射線取扱主任者試験合格 ・AHA BLSヘルスケアプロバイダーコース受講済み